クレヨンと夕焼け

大きな火の玉が彼方の街へ墜落していく

真っ赤に焼けたビルが澄みきった空気の中で

クレヨンのように立ち尽くす

今にもぽきりとへし折れそうな

今にもどろりと融けそうな

それを握って 世界をぐちゃぐちゃに塗りつぶしたい

そんな空想は罪か 救いか

いつの間にか握りしめられていた拳を開けば

白く そして赤かった

指で空を撫でる

風を 星を

空が青く 紅く 黒い

明日は晴れそうだ

 

2013.9.16