ミッシングリンク

夏の暑い一瞬に

言いようのない空白を感じるときがある

夏の頂点を突き抜けるような思いで

アスファルトの上を走る午後三時

後から思えば

あの瞬間こそが一枚の絵だった

熱い空気の塊を泳ぐ その時はわからないけれど

青空を切り取る白い稜線

迫りくるそれが空を黒く染める

僕らはそれを待ち望んでいた

叩きつける水と風は どこかから来て どこかへ行く

あの夏とその夏を繋ぐこの夏を

僕はまだ知らない

 

2013.8.16